写  真
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時代(とき)を刻む(縄文杉)  市川 幸利
技術と芸術の融合とは正にこの1枚の写真を言います。実際、屋久島で縄文杉を下から眺めた人にしかわからない技術の粋が隠されています。
尾瀬を知る  市川 幸利
水の流れに動きを感じます。そして、何よりも水芭蕉の白さが際立って、それはまるで白い衣装をまとった踊り子のように可憐です。
 
常立寺の夕日に輝く梅  山本 哲雄
どこに行くにも首からカメラを下げている作者です。特に花に向かう目は、作者自身の優しさの象徴であり、カメラを向けられた花々は、ちょっとおすまし顔で微笑むのです。 
新緑のブナ林   梅津 仁
柔らかな新緑の色と、雪まだ残る月山の風景がとてもみずみずしく訴えかけてきます。やはり作者の細やかな心配りの表れなのでしょうが、雪の冷たさと早春の暖かさを同時に感じさせます。

北アルプス遠望  梅津 仁
山に登るのは難行苦行です。それでも、人は山に登ります。山はあたりを鎮める力をひそめています。ですから、その懐に抱かれることが喜びなのでしょうか。 



神宿るレニエ山  小林 信武
この写真を撮るために、作者はとてつもない道のりを歩きました。現地の人に「よくも生きて帰って来れたな。」と言わしめたそうです。正しく神のお導きがあらばこそです。
 
流るるに咲く  伊藤 外美子
題名に賛否両論がありましたが、作者は断じてひるむことはありませんでした。尾瀬は水に支えられたさえぎるものなき原野でした。
「浅き夏に 白き衣ずれの音
君おらざるは 夢の半ばに眠る
くちびるにたどるは かの水芭蕉の歌
並びて聞くぞ この旅の目途なり」
「白き単衣(ひとえ)をまとい 水辺に足を浸す
その涼かさで 人を誘うは 本意にあらず
往時の旅人 その清楚な色香に迷い この地を拓く
その姿 衰えること知らずして
なお心ときめかす 近時の旅人」
「石に語る」  伊藤 外美子
箱根古道で出会った石仏群のこの仏を見て、私は不敵な面構えにたじろぎました。でも、そう見えた私が、一番不敵な心を持っていたことに気付くのに、さほど時間はかかりませんでした。
 
夏の終り  上石 陽一
刻々と変わる空模様の瞬時をとらえた1枚です。色のコントラストが時ならぬ暗雲を予感させます。きっと、カメラにおさめずにはいられなかった光景だったのでしょう。
夕映え(1)  宇尾 美有己
写真を趣味とする人の作品だけあって、光と影を生かし尽しています。会期中に、展示してある写真を一つ一つ解説してもらいました。皆ぞろぞろついて回り、とても勉強になったはずです。
 
夕映え(2)  宇尾 美有己
ただ1度のシャッターチャンスを求めて、ほとんど1日を費やすことも珍しくないとのこと。見慣れたランドマークタワーが夕闇を背景に美しいモニュメントに見えます。
冬空北海道  朝倉 真理子
スキーが得意な作者にとって、冬の北海道はわが意を得たりのグラウンドです。寒さを突き抜ける冬空は、凛とした姿勢を保たせるには心地よい空間でもあります。
 
ト ビ(合成写真)  湊元 力
裏話を一つ。この写真はフォトショップエレメントを駆使して、5枚のレイヤーを重ねて合成したそうです。その結果、世に二つとないトビの躍動感をとらえました。 
夕日に映える風景  二宮 欣司
さすが、海外旅行の経験豊富な人が選ぶ景色です。ヨーロッパの片田舎の何気ない風景ですが、旅行者にとっては、それ自体が異国の情緒です。
 
パラボルティニア教会  二宮 欣司
シルエットだけでこれだけ旅情をかきたてるのですから、実際にその場に立ったら、カメラだけではなく、心にもきっと焼きついた思い出が一杯あったことでしょう。 
 
6月の花  上條 恭資
ご家族全員で出品したかった作者です。お嬢さんを愛し、歌を愛する人柄が写真からもうかがい知ることができます。来年はきっと奥様も参加されるよう説得されるのでしょうね。
尾瀬・木道  金子 昭彦
尾瀬の木道を歩く旅人は、木の感触と果てることなき地平線に酔いしれます。何もない原野こそが日常を忘れさせ、道端の一輪の小花に語りかける心を洗い出すのです。 
節分草(両神山)  亀山 悟
春を待ちわびて咲く花は数々ありますが、この花も冬の厳しさをはねのけ、何と可憐にそして力をみなぎらせて太陽に向かっていることでしょう。そこには立ち向かう顔があります。
ミモザ  中野 英彦
花言葉は豊かな感受性。青い空をバックに咲き誇る黄色い花の房は、風に揺れるたびに鱗粉を撒き散らす蝶のようでもあります。 
エリカ  中野 英彦
野菜作りに精を出す作者は、花の写真も得意とします。しかもアップが多いように思えます。
花を愛するがゆえに、自然と近づいてしまうのでしょう。
 
水芭蕉(尾瀬)  中野 英彦
水芭蕉は尾瀬では群生しています。でも、花の一つ一つに存在感があり、咲く場所に君臨していると言った風情です。
 
光輝く花一輪  井手 俊次郎
題名と写真が寸部違わない作品としては右に出るものはありません。女性より男性の方が花を被写体に選ぶことが多いのは何故でしょう。
河童春を待つ   齊藤 祐治
題名を聞いただけで、どんな写真が飾られるのだろうかと、興味の尽きない日々でした。期待をを裏切らないユーモアたっぷりの写真に、思わず心が和みました。
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